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賃金とは何か(その4)

3.賃金はどのように決まるか

商品の価格は生産コストで決まり、需給関係により変動する。賃金の場合は「労働力商品」の(再)生産費で決まり、労働市場の需給関係で変動する。

労働力をもつ人間は工場で生産することはできない。とはいえ、人間の存在を前提とすれば、それは他の商品と同じように、その商品の再生産に必要な価値が労働力の価値になるはずである。それが現象としては価格に転化し、労働賃金となる。

したがって賃金は労働者の生活費である。

①労働力の再生産にどれぐらいかかるかというと、まず明日も働けるように今日の食費が必要である。衣服や住居など生きていくための生活手段も必要である。暑い国と寒い国では着る物や住む所に違いがあり、食料品価格も違うだろうが、一定の国・一定の時代では一定の水準がある。その生活手段の価値が労働力の価値規定の第1の費用となる。

②しかし労働者本人は数十年で働けなくなってしまう。資本にとって、労働者が永久に存在するためには、次の世代の労働者が再生産される必要がある。そのため子供たちの生活手段も労働者の価値規定に含まれてくる。それによって、本人の再生産だけではなく子供が再生産され、労働者として世代交代するように市場に登場すれば、労働者が永遠に存続することになる。それが第2の費用となる。

③また技能と熟練を得て、発達した特殊的労働力とするための教育・習得費が必要である。これが第3の費用である。

すなわち、①本人の再生産費、②世代的再生産費、③技能の熟練費、の合計が労働力の価値となる。

こうした3つの費用には、それぞれ生理的最低限に加えて、文化的・歴史的要素が含まれている。3つの費用のそれぞれについて、生理的な最低限と、歴史的・文化的な要素の両方が入っていて、3費用2要素が労働力の価値規定になる。

したがって、労働力の価値規定は一定額の生活手段の価値となる。ただしこれは理論上の規定であり、精確に何円と算出できる性格のものではない。特に、歴史的・文化的要素は柔軟なものとならざるをえない。それがどの水準で決まるかは、労資の力関係で決まる。

ただし、現代の日本は、他国の賃金水準の影響を受けざるをえない立場に変わってきている。

現実の賃金要求額については労働運動としての戦術的判断も必要だろう。

とはいえ、賃金闘争は一面では人間らしい生活をおくるための権利闘争である。資本主義の論理は人間を生産物と同じような1つのモノとみるものだ。そうした社会の矛盾に気づくことが、賃金について学ぶことの、もう1つの重要な意義なのである。
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